何に任せる? 誰を信じる? データのバックアップ

公開日:2021.01.31

とっても怖いデータ消失の話

とっても怖いデータ消失の話

デジタルな世界で最も恐れるべきこと、それは“データの消失”。どんなことがきっかけで大切なデータを失うのかは、誰にも分かりません。とても重要な情報も、大切な思い出も、愛する作品も、失われるときは一瞬です。

データに限らず、何かを「手放す」のではなく「失う」ことは、ときに人生を左右します。創作活動をしている人も、そうでない人も、データが消えてしまったら精神的に大ダメージを負ってしまうことがほとんど。常に穏やかでいるためにも、バックアップは必須です。

フロッピーディスクの生産終了、オンラインストレージの登場など、記録メディアは短い期間で随分と進化と変化をしました。ユーザーとしては、選択肢が増えてどれを選べばいいのか分からない、というのが本音ではないでしょうか。少なくとも、私はそう思っています。絶対にこれが良いと断言できるものがなく、どれも一長一短だからです。

誰でもお手軽な外付けハードディスク

大切なハードディスク

今現在、私はデータのバックアップとしてUSB接続の外付けハードディスクを2台使用しているのですが、これで絶対に安心なんてことはありません。お手頃価格でそれなりの容量のものが購入できますが、調べてみると寿命は3〜5年と言われているようです。それでいて気軽に捨てていいものではないので、買い替えにも慎重になってしまいがち。だらだらと同じものを使い続けてしまったりします。

実際、私が使用している1台目の外付けハードディスクは、購入から10年以上経過しています。かなり長寿と言っていいのではないでしょうか。必要なとき以外は引き出しの中で眠っています。振動や衝撃を与えてしまったら壊れてしまう可能性があるとはいえ、正直、扱いに関してはアホらしいくらい過保護です。

過去には、外付けハードディスクが突然読み込めなくなってデータを失った経験があります。使用環境の都合で、当時はバックアップとしてではなく、すべてのデータを外付けハードディスクに入れていました。恐らく寿命で壊れたのだと思いますが、まるで愛犬を失ったときのような気持ちになったのは、言うまでもありません。

テレワークの味方・オンラインストレージ

盗っ人現る

どんなに大切に扱っていても、外付けハードディスクそのものを紛失したり盗難に遭ってしまったら、データは失われたも同然です。自宅に泥棒が入って盗まれたらどうしよう……。大袈裟な話ですが、そんなことを考えたことがあります。

そんな心配を解決してくれるのが、オンラインストレージです。クラウドサービスと呼ぶべきでしょうか。自分のパソコンの中や手持ちのハードディスクにデータを保存しているわけではないので、自宅と職場など別のパソコンで同じデータを開けたり、他の誰かと共有することもできます。テレワークが推進されて以降、導入している企業も多いでしょう。

使い方を間違えなければ問題はないのですが、うっかり別のデータを入れてしまったら大変。共有する相手を間違えてしまったときも、それはある種の情報漏えいになってしまいます。まるでパソコンの一部であるかのように簡単に使えて便利だからこそ、気をつけるべきことが多いです。

オンラインストレージの弱点として頭に入れておきたいことは、何か障害が起こって一時的にアクセスできなくなる可能性があること、最悪の場合、データが消えて復旧できない可能性があることでしょうか。ビジネスで使用していた場合、そういうときには誰の責任になるんだろう……なんて考えてしまいます。個人使用でも、行き場のない感情のせいで、運営者に辛辣な言葉を投げつけてしまうのかもしれません。人為的なミスでなかったとしても、運営者は誠心誠意、謝罪をしてくれるのでしょう。なんだか心が痛い話です。

もしかしてアナログが最強?

もしかしてアナログが最強?

使い続ける限り料金を払い続けなくてはならない有料オンラインストレージと、定期的な買い替えが必要な外付けハードディスク。料金的な問題でどちらがお得と言い切ることも難しく、安全面においても勝敗は決められません。結局、上手く併用していくしかないのでしょう。

ペーパーレス推進派でありながら、長期保存はやっぱり紙がいいんじゃない? なんて思ってしまうことも。しかし、音楽や動画は紙で保存することはできません。楽譜を書けば音楽はある意味では保存したことになりますが、DAWの拡張子がついた大元のデータを持っていることに意味があったりします。

データを消すのも失うのも一瞬ですが、それを作り上げるためにどれだけの時間を費やしたのでしょうか。データの消失は、自分の人生を否定されるような悲しい事件です。お金や手間が掛かっても、未然に防ぐべきだと言い切ることができます。他の誰かにとっては何の価値もないかもしれないからこそ、価値が分かる自分自身でしっかり管理しなくてはなりません。

厳選お品書き

Graphic/Movie
2020.11.07

メモを書いた人

さかがわまな[Mana SAKAGAWA]

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